閉館したばかりのEX名古屋へ「行ってみた」!【後編】
11月いっぱいで完全クローズとなったEX名古屋。【前編】では閉館までのドキュメントを書いたが、【後編】は社員やパートさんたちの心の動きに注目。その時なにを思い、いまどんな思いでいるのか、「追ってみた」!
EX名古屋の石黒支配人(当時)は、閉館になることが決まった時、まっさきにこう思った。
「社員やパートさんが動揺するといけないなと思いました。PREMIUM名古屋栄があるので、そちらへの異動も可能だろうけど、全員はむずかしいかも知れない。行けなくなる人、押し出される人もいるだろうし…」
案の定、いろいろなウワサが飛び交った。特にパートさんは、いったん解雇とか、再雇用の条件がきびしくなるとか、どこが出元なのか、悪いウワサばかりが広がったそうだ。
石黒支配人は4月に配属になった際、家族で名古屋へ引っ越してきたが「自分がどうなるか、よりも、パートさんのことが気がかりだった」と言う。幸い(というか、当然?)、ドーミーインは冷たくなかった。
基本的に全員がPREMIUM名古屋栄へ異動する前提で話は進んだ。ただし、PREMIUM名古屋栄も人数が増えるため、勤務時間などの条件が多少変わる可能性もある。それに合わない場合は残念だが…ということとなった。
増田さん(フロント・パート)は胸をなでおろした。
「3月末から働き始め、ようやく慣れてきたところ。顔を覚えていただき話しかけてくださるお客様も増えてきて、仕事が楽しくなってきたところでした。続けることができて、本当に良かったと思っています」
松原さん(清掃・エムトラスト・パート)はこう話してくれた。
「会社から、PREMIUM名古屋栄か他のホテルかどちらか、と言われましたが、迷わず決めました。もう3~4年働いていますし、ドーミーインが大好きですから」松原さんは「人数が足りなかったり、リネンの搬入時間がずれたりして、清掃が遅れそうになると、フロントの人たちが手伝ってくれるんです。そんな体制というか気遣いが特に大好き」と言う。
そんな中でも、植木さん(フロント・パート)はまだ不安だった。
「大学4年生なので、来春には辞めることになるんです。それなのに声をかけていただいたので、“2月いっぱいまでですけど良いんですか?”と聞くと、“もちろんです!”と言っていただいて。本当にうれしかったです」
<PREMIUM名古屋栄>
ところで、同じドーミーインとは言え、違う棟への異動。不安や戸惑いはなかったのだろうか。幸い(これはホントに幸い)、EX名古屋とPREMIUM名古屋栄との間で、社員は頻繁に行き来していた。
前編で登場したPREMIUM名古屋栄の大宮さん(レストラン)然り。人数が足りなくなったり、ある時間帯に社員が不在になったりすると、お互いにヘルプを出し合っていた。1日に何往復もすることもあったそうだ。
よって、社員同士は顔見知り。パートさん同士は初対面となったが、パートさんもヘルプに来た社員とは交流があったため、「それほど不安はなかった」と言う。
PREMIUM名古屋栄でも、新しいスタッフを迎えて、思わぬ効果が現れつつある。大宮さんが話してくれた。
「これまでも個人個人でちょっとした仕事の仕方のズレがあったと思うんです。例えば、レストランだと、料理を並べておく位置とか数とか。新しく来たスタッフが質問した時、人によって答えが違うと困りますよね。そうならないよう、統一していきたいと思っています。それも言葉で伝えるのではなく、ちゃんとメモで残すようにしようと」
こうした動きは、PREMIUM名古屋栄の全体に広まっているそうだ。やっぱり、ドーミーイン。ひとつ閉館しても、ただでは起きない(笑)。
・・・・・
最後に、今後に向けてひと言いただいた。
松原さん(清掃・エムトラスト・パート)
「EXに比べてベッドが大きくてたいへんですが、これまでの経験を生かして頑張ります」
植木さん(フロント・パート)
「卒業までの短い間ですが、ここでの経験を社会人になってからも大切にしていきたい」
増田さん(フロント・パート)
「語学をもっと勉強して、海外からのお客様に観光案内もできるようになりたい」
千田さん(フロント・副支配人)
「1年目PREMIUM名古屋栄、2年目からEX名古屋。ここで培ったことを、野乃なんばで!」
石黒さん(現P名古屋栄支配人)
「塚本さんと江口さん、ふたりの総支配人のもと、支配人としての経験を積んでいきます」
(取材・文=庄子明夫)
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