カロスキルで海外初進出編
藤井 俊輔
ドーミーイン海外事業企画室 室長。2014年5月より韓国における新規店舗立ち上げのプロジェクトを担当。2015年3月に「ドーミーインPREMIUMソウルカロスキル」オープンに携わる。
オープン準備
チェックイン・チェックアウトのフロント業務や、予約入力などのパソコン業務、また、予約の受付や案内の電話対応、ルームコントロールや大浴場の管理など、接客だけではなくホテル運営に関するさまざまな業務を担っています。特に、ドーミーインは大浴場が売りなので、大浴場の管理には気をつかっています。日々の温度、衛生管理はもちろんのこと、季節や気候に応じて露天風呂を果実湯にしたり、風鈴を設置したり、鈴虫の鳴き声を流したり―――お客様に心からリラックスしていただける空間づくりに努めています。
カロスキルオープン
韓国に常駐しながら開業準備を行っている中で、時が経つにつれて日本のやり方はそのまま通用しないと痛感するように。日本とは勝手が違う建設作業の進捗をにらみながら、オープン日を決めるのに苦心しました。工夫したのは、韓国人のスタッフに気持ちよく働いてもらうこと。「人前で厳しいことをいわない」「ポジティブに話す」「期日を明確にする」など、丁寧なコミュニケーションを心がけました。今思えば、ドーミーインのポリシーや日本について理解していただく研修に時間を割いてよかったと思います。
アクシデント
ようやく軌道に乗った頃、MERS(中東呼吸器症候群)の流行というアクシデントが発生。日本や中国のお客様が減って大変だったのですが、現地の韓国の方々にドーミーインのよさを味わっていただくしかないとキャンペーンを展開して、ファンを増やすことができました。カロスキルでの試行錯誤があったからこそ、2号店のカンナムはスムーズにオープンできたのだと思います。
現地で高い評価
日本で人気の夜鳴きそばや貸出枕などは、韓国でも同様に実施しております。ウェルカムドリンクでは、韓国ならではの伝統茶をご提供するなどお客様に喜んでいただくために、日本人と韓国人のスタッフが意見を出し合ってイベントの企画を決めています。朝食と接客については評判が口コミで伝わっていくほどで、ドーミーインとしてめざしてきたことは間違っていなかったと実感しています。この経験を活かして、台湾やベトナムにも、それぞれの国らしいドーミーインを立ち上げたいですね。
自分たちのやり方を一方的に伝えるだけでは現地のスタッフは動かず、すべて合わせてしまうと日本のよさを伝えることができません。大事なのは、それぞれの国のよさを理解して、固定観念に捉われずに考え、行動できること。「日本の企業で働きたい」と思ってくれるスタッフを信じて働ける人はうまくいくのではないでしょうか。