朝ごはんフェス 山口１位のインに、行ってみた！【前編】～PREMIUM下関

宿泊施設の朝食日本一を決める「朝ごはんフェスティバル2018」。
ドーミーインの中で見事、都道府県代表の座を勝ち取りセカンドステージ進出を果たしたのは2棟。

前回取材させていただいた野乃富山と、今回のPREMIUM下関。
そう言えば、僕にとって未踏の地。下関と言えば「あれ」でしょ！ワクワクしながら「行ってみた」！

「朝ごはんフェス」で山口県1位となったのは、PREMIUM下関の「ふく飯」。
「『ふぐ』ではなく『ふく』と言うのは、『ふぐ』が不遇に通じ、『ふく』は福につながるから、らしいですよ」

そう教えてくれたのは、フーズ管理部担当部長の高山さん。PREMIUM下関の開業前、このご当地メニューを考える際、フグのセリが行われる地元の唐戸市場に何度も足を運んだと言う。

「下関と言えば、やっぱり、フグ。お客様も期待されますよね。唐戸市場や周辺の食堂を見てまわり、ふく寿司や唐揚げも候補になりましたが、朝ごはんなので、ふく飯かふく雑炊ということになり、最終的に『雑炊はフグ鍋のシメというイメージが強いので、ふく飯がいいね』ということになり、開業当時からのご当地メニューとなっています。現在は、ふく雑炊もお出ししてますよね」

高山さんの話に好奇心が首をもたげた僕は、朝早起きして散歩がてら唐戸市場へ「行ってみた」！

＊唐戸市場はＰREMIUM下関からのんびり歩いて約30分。ふく飯もふく雑炊も食べる使命を果たすにはちょうどいい運動となった。

とは言え、ちょっと出遅れたので、セリはすでに終了。それでもすごい活気で、魚市場ならではのにおいの中、威勢の良いおかみさんたちの声が響いていた。


＊写真が下手ですみません。ふくの身は下の方に隠れてます。
ところで、ふく雑炊、ふく一夜干し、ふく汁などのフグ料理がある中、なぜ「ふく飯」をエントリーしたのだろう？　支配人の木下和彦さんに「聞いてみた」！

「去年もふく飯でチャレンジしましたが、結果は4位。同じもので大丈夫かなと思いましたが、個人的にはリベンジという気持ちでした」

副支配人の阿部さんにも「聞いてみた」！
「通年お出ししているもの、食べやすいもの、老若男女みなさんによろこばれるもの、ということで、木下支配人と一緒に決めました。なにより、ふく飯は私の好物なので（笑）。ただ、去年4位だったので、どうかなぁ？と思っていました」

（写真左）阿部副支配人　（右）木下支配人
お二人の違う気持ちや不安をよそに、ふく飯は見事、山口県1位の座を射止めた。

「正直、ビックリ。まさか？って感じ」と木下支配人。「え！1位なの？　ホント？？？」と阿部副支配人。
レストランスタッフの反応は、お二人とは違っていたようだ。新人の尾形さんが話してくれた。

「みんな、お～ッ！やったぁ～！って。地元のパートさんばかりなので、あそこのホテルより上、あそこの旅館よりも上なのねって、よろこんでいました。ふく飯をずっと作り続けているパートさんは特に思い入れが強いんだと思います。私はまだ来て浅かったのですが、まかないで食べさせてもらい、これはおいしい、と思っていました」

お客様の反応も変わった。

「POPを読んで『これが1位の？』と聞かれることが増えました」と言う阿部副支配人。尾形さんも「POPを見て、これこれってお茶碗によそうお客様が増えたように思えます」と言う。

PREMIUM下関では、フロントスタッフは朝食の時間帯にはレストランに入るのが常。お客様のアテンドをしたり、料理屋お皿が減ってきたらインカムで補充するよう連絡している。

今年のフロントの新人2人は、山口県1位という反響の大きさを感じている。
アテンドの時にもフロントで応対している時にもそれを感じている、と言うのは竜口さん。

竜口さん。先輩から教わったことはすべて、制服のポケットに入れているこのノートに漏らさず書き込んでいる。すでに5〜6冊になったとか。
「朝ごはんフェスの結果を見て予約した、ホントにおいしいね、というお客様が増えました。朝食なしのご予約でいらっしゃったお客様から、朝食付けられますか？とフロントで聞かれることも良くあります」

柳田さんは、ネットの書き込みにも変化があったと言う。

柳田さん。「いちばん下関らしい場所で」とここで撮影。

「もともと朝食の評価は高いと感じていましたが、朝ごはんフェスで山口県1位になってからは、さらにお褒めの言葉が多くなったと思います。POPに注目されるお客様も増えてますけど、日本語表記だけなので、インバウンドの方には得意な語学を活かして説明したいと思っています」

お客様の評価が高まり、スタッフの士気も向上しているPREMIUM下関。しかし、木下支配人は「むしろ、自分たちを見直すいい機会になった」と言う。

はて？1位になったのに見直す？どういうことだろう？
その答えは【後編】で。
（取材・文＝庄子明夫）

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