2018 12/28

閉館したばかりのEX名古屋へ「行ってみた」！【前編】

今年2018年11月25日、オーナー様との契約の関係で、たくさんのお客様に惜しまれながら閉館したEX名古屋。2000年にオープンしてから18年。なかでも、閉館前後の数ヵ月にはいろいろなドラマが凝縮した。そのドキュメントを「追ってみた」！

石黒さんは、この４月に富山から異動したばかり。初めて支配人の任に付いたのが、ここEX名古屋だった。

「7月頃だったと思います。まだ確定してはいないが閉館するかも知れないと聞きました。来て間もないし、支配人になったばかりだし、閉館の経験もありません。たいへんだよと言われ、不安ばかりが募りました」
名古屋集合写真
<写真左から、増田さん、千田さん、石黒支配人、植木さん、後藤さん>

その時はまだ閉館が決まっていなかっただけに、スタッフにも内密、業者さんにも仮の話として連絡し始めたと言う。

「清掃業者さん、リネン屋さん、食材仕入れ業者さん、リース会社さんなどなど、連絡しなければいけないところがたくさん。もしも閉館になった場合、いつまでにどんな手続きが必要ですか？とお聞きすることから始めました」

おそらく石黒さんは周囲に誰もいないのを見計らって電話していたのだろう。連絡先から閉館の情報が漏れることも気にしながら。
数ヵ月後、EX名古屋の閉館が正式に決まる。

「業者さんへの連絡や手続きはしましたが、その後もずっと稼働90％以上の日が続きました」
そう振り返る石黒支配人。EX名古屋は93室の小さな棟なので、アットホームな雰囲気がお好みの、昔からのファン、常連さんが多かったそうだ。

EX名古屋へのヘルプに週何日も行っていたPREMIUM名古屋栄の大宮さん（レストラン・副支配人）は、お客様との距離感の良さを感じていた。

「ビジネスの常連さんが多く、名古屋駅へのシャトルバスに合わせて朝食を摂られる方が多いんです。この時間にいらっしゃるこの方はいつも両面焼きの卵焼きだなぁ～とサッとお出しすると、笑顔を返してくださるので、私もうれしくて。私の顔も覚えてくださっているようで、いろいろお話させていただきました」

閉館まで残り1ヵ月を切った11月になると「棟の雰囲気が変わってきた」と言うのは増田さん（フロント・パート）。

「常連さんのご宿泊が特に増えたような気がします。“閉館するんだってね。残念だなぁ～”とたくさんの方に声をかけていただきました。最後の最後に来てくださったんでしょうか。ジーンと来ました」

そして、ついに、その日がやって来た。
「11月25日、最後のお客様のチェックアウトが済むと、リース物件の撤収などをする業者さんがドドッと入ってきて、その時、あ～閉館するんだな、と急に実感が湧いてきました」

石黒支配人はそれまで日々の業務に追われ、閉館する実感がなかったと言う。一気に現実に引き戻された感じなのだろう。

その日から完全クローズの11月30日まで、慌ただしく閉館作業が行われた。本社をはじめ、いろいろなエリアから助っ人もやって来た。

「客室は徹底的にキレイにしよう！と、みんなで決めました」
そう語る石黒支配人。清掃さんには26日まで出てもらい、27日からは本部社員が中心となって作業を進めたそうだ。

そんな閉館作業を行っていたある日、千田さん（フロント・副支配人）はある光景を目にして、感慨にふけったと言う。

「EX名古屋の歴代支配人が集まっていたんです。普段あまりお目にかかれない方もいらっしゃって、あ～、この方も支配人だったんだぁ…と思い、歴史を感じました。私もその一部に関われたことをうれしく思います」